【雑記】家族の「ふつう」と戦う、まっくろ髪の戦士の戦い方。

雑記
kytalpaによるPixabayからの画像

雑記書いてアマギフもらった話。

少し前に文章で何か応募できるもの無いのかなぁ
と探していたところ、「かがみよかがみ」というサイトを見つけました。
どうやら朝日新聞社系列のサイトで、
29歳までの女性からエッセイを公募し、
採用されると謝礼に1000円分のAmazonギフトカードがもらえる。
というものでした。

(謝礼のAmazonギフトカードは
今年2021年3月をもって廃止されました。
思った以上の応募数だったそうな。)

採用といっても、滅多なことがない限り落とされない。
ということでしたので(笑)最初のハードルとしてはいいんじゃないかと。
おかげさまで11作の文章が採用され、11,000円稼げたわけです。
私としては自分の文章で初めてもらったお金(ギフト券)だったので
とっても嬉しくて。
今でもちょこちょこと、自分のご褒美の買い物で使わせてもらっています。

 

そんな私、今年で三十路を迎えるわけで!
このサイトへの応募もできなくなりますし、
そもそも採用されてギフト券もらえたらいいなぁくらいの応募だったので
今年の4月をもって、投稿するのをやめました。

そんな採用していただけた文章たち、
どうせなら自分の作品としてこっちにも残しておこうと思いまして
ちょくちょく移していこうかなと。思います。

なお、あっち側のサイトで公開されているタイトルや小見出しなどは
担当の方がいい感じに付けてくれたものなので、
私のタイトルや文章とは、異なっています。
せっかくなのでこちらには原文をそのまま載せていこうかと、思います。

そして、これからまた文章応募できるところを探していこうかなぁ。
いいのあるかしら。

この雑記を書いた経緯。

毎回テーマやお題が出されるのですが
今回は「ふつうを超えてゆけ」というお題。

この時期、妹の結婚式があり
そのことで私は母と揉めていました(笑)
正直、「まだ諦めてくれないのか…」
という気持ちが半分、
でもこの『ふつう』と私は普段から戦っているんだよな
という気持ち半分で書きました。

同じような境遇の人がちょっとでも気持ち楽になるといいなぁ。

以下、エッセイの本文です。

【本文】家族の「ふつう」と戦う、 まっくろ髪の戦士の戦い方。

私は長い間、
家族の中に取り巻く「ふつう」に縛られている。

私の家族は世の中でいう「立派」なもので
歯科関係、公務員、そして看護師ときた。

そんな私は居酒屋のホールスタッフをやりながら
演劇をやっている。
世の中でいう「夢追い人」とでもいうのだろう。
家族との価値観はかけはなれたもので、
お正月に帰ろうものなら
やれ就職、やれ結婚、やれ子供…

そんな中でも最近、一番私を悩ませる「ふつう」。
それは、「髪の毛の色」
……いやいや、
小さな問題と思うなかれ。
私にとっては自分を否定されかねない問題なのだ。

ーーーーー

秋口も差し掛かり、肌寒くなったある日、
三姉妹の長女である私は
次女から結婚をするのだと連絡を受けた。
本当に、本当によくやったと。
本当におめでたいと思った。

よくやったというのも、
こんな生活を続ける私に結婚願望があるはずもなく
「そういうことは下二人に任せれば良い。」
と話していたからだ。

「これで私へのプレッシャーも軽減するだろう。」
なんて、違うおめでたい気持ちに浸っていたのもつかの間、
私に違う問題が降りかかってきた。

 

結婚式への出席である。

 

冒頭でも言ったように
私の価値観は世間とはほんの少しかけ離れているため
そういった行事が私はとても苦手である。
しかし、妹の晴れ舞台。
おめでとうの気持ちに嘘はない。
私は色んな気持ちを仕舞い込んで出席の準備に参加した。

 

普通は喜んでやることだろう衣装の準備。
私は祖母と母に連れられ着物のレンタルへ。
普段の服でさえしっかり決めたことがないのに、
着物への意見を求められ
「どれでも良い」と言えば怒られ…
「じゃあ、こっちかな…?」と意見を言えば難しい顔をされ…
祖母と母と予算に挟まれながらちょうどよいところで手が打たれた。

 

その後の母からのラインで私の中の何かが切れたのである。
「髪の毛、当日までに茶色まで落としてください。」

 

私の髪型は現在、外側が黒髪、内側のみ金髪のロングである。
正直、髪の色なんてどうでもいい。
しかし、母の一言の中の
『ちゃんと、ふつうにしなさい』を察知した私。
思えば長らく続いていた母との
『ふつう』の価値観の違いの決着を付けるべきだろうと
長々母にラインをした。

内容を簡潔に言えばこうだ。
「私は、この先何があっても、あなたのいうところのふつうにはなりません」

しかし待てど暮らせど返信がない。既読すら付かない。
母の性格だ。傷ついて、怒って、泣くだろう。くらいの想像はしていた。
しかし、ここまでアクションがないと
結婚式の出席どころか、家族関係が怪しくなる。

困り果てていた私を見た演劇の先輩が魔法の言葉を教えてくれたおかげで
私は次の手を打てたのだ。

ーーーーー

「あっちの言う通りにする。それで終わり。
でも従ってはいけない。言うことをこちらが聞いてやるのだ。」

私の目から鱗がポロポロ落ちた。
そして先輩は続ける。

「どう思われようがいい。心の中だけは大切にする。
そこがふつうの人とは違い、大切なところだ。」

 

私はどこかで「ふつう」に縛られるあまり
その「ふつう」にどれだけ抗えるかという反抗で戦ってきた。
抗えたら勝ちである。とすら思ってきた。
しかし、一生埋まることのない価値観の差がある。
私が私として生まれたことと同じくらいに
人と私には埋まらない価値観の差があるのだ。
それと戦うなんて「テニスボールでサッカーしよう!」くらい競技が違う。

私の頭の中は少しだけ進んだ。
まだまだ戦いをやめない私がどこかにいるが、
それを少し考えてから仕舞えるくらいになった。
正直これが超えたことになっているのかはわからない。
しかし、争ったり戦ったりぶつかることだけが
超える方法だと思い込んでいた私は
新しい武器を手に入れたような気持ちだった。

明日朝一で黒染めを買ってこよう。
そして「染めました」の一言と共に
髪をまっくろにした私の写真を送りつけてやろうと思う。

コメント

タイトルとURLをコピーしました